薬を使わず治すパニック障害〜誤作動した脳と心の修理

パニック障害を発症し、克服するまでの記録です

パニックが起こる前の心のざわつき

私が発症した頃よりも

今はパニック障害の情報が増えたことは
誰にもこの症状を相談できなかった人には
症状の早期発見と治療にかかりやすく心強いものです。

 

 

 


私がパニックを初めて起こしたのは
出産後1年近く経とうとしたあたりでした。

でも、よくよく思い出すと
その種というか、起こしやすい気質であったとは思います。  

 

現在は

もともとそういう気質があって、パニック障害になりやすい人、

というのがわかってきていますね。


一般的には心配性だとか不安を感じやすいとか言われますが

確かにそうだとも思えます。

でも、もっと根底にはあるんじゃないかなとも思っています。

このブログでは

ダラダラと自分の日常ばかり書いてしまっていますが

なぜそうなるかというと

日常に蓄積された心のオリみたいなものが

ある日
「不安」という形で

少しずつ現れてくるのかな・・
という気がしているからかもしれません。

 

 





ゆっくりとご自身のことを思い出していくと
今に始まったことではない方って
意外といるかもしれません。

 


確かにそうだったのかな?と思える経験はあります。

 

小学校入学式では急に地面がぐるぐるとし始め

血の気が引いて倒れ、
気がつけば保健室。

当時は貧血では?と保健室の先生に言われました。


中学生の頃・・・
当時は過呼吸のみでした。

中3の頃は特に頻発しました。

ちょうど進路のことや母との確執に

一番悩んでいた頃だったからかもしれません。


大体心配事があるとスーッと気がどこかへ行ってしまったような。

この二件も何かしら漠然とした不安があった覚えがあります。

 

 

 

 

 

成長するにつれ、

多少緊張しても具合が悪くなることは無くなりました。

 

それが・・
出産して1年経つかという頃。

 

いつものように息子を抱き上げたところ、二、三歩歩いた途端
胸のあたりがざわつき、吐き気が込み上げてきました。

もともと嘔吐恐怖症的な傾向のあった私は
「吐く」行為はとても苦手。

 

胃の底からこみ上げてくる感覚は天地がひっくり返るようで
家の中でも嫌なものです。

幸い、つわりはほとんどなかったんですけどね・・

そっと息子をベッドに戻し、ダッシュで洗面所へ。

すぐに落ち着き、寝室へ戻って

泣いている息子を再度抱き上げようとすると・・・

またえづく・・

夫に息子を抱き上げてもらい、
台所へ行き・・・

 

そして通常の体調不良と違い、
心の中がとてもざわついていました。

家の中で、足も地面についているはずなのに、
まるで足のつかないプールだか水の中で
溺れ掛けそうな恐怖を感じていました。

今日1日だけのことかと思ったこの感覚は
ほぼ毎朝続きました。

このような状態で一番困るのは

普段のお買い物です。

 


発症前から

まだ息子が小さいということもあり、


買い物は夫と週末まとめ買いをしたり
遅くまで開いているスーパーに一緒に行ってもらったりしていました。

 

一緒に出かければ幾分安心だったので
どうにか買い物をこなせましたが・・



ある日
お会計をしようとレジ前に立っていたら、
ピ!・・ピ・・!ピ・・!と
レジの音が大きく感じ始めました。

年初めの

高速道路の轍を踏む音が大きく感じるようになったのと同じです。

すぐに動悸が起こり、呼吸が速くなる自覚がありました。

レジの向こうには夫と息子がニコニコして立っています。


震える手で急いで会計を済ませました。

 

「この後どこかで食べようか?」と夫が言い切る前に
「帰る!!」

 

「え?」

 

「・・帰る!!!」

 

呼吸もままならない私は帰るというのも精一杯。

 

よくわかっていない夫は

 

「何怒ってるの?」と驚いています。

「違うの・・気持ち悪いの・・」

 

「・・?ああ、そっか」
納得というより不機嫌そうに

「ああ、じゃあ仕方ないか」といった感じです。


でも取り繕う余裕もなく
すぐに駐車場へ。

 

私の周りだけが時間軸が狂っている。


1分は60秒で動いている普通の世界が
私には1分が遅くなったり、早くなったりしている・・
そんな感じです。

そして同じ場所にいながらにして

夫とも

世間とも

違う場所にいるように感じられる日が増えていくのでした。