薬を使わず治すパニック障害〜誤作動した脳と心の修理

パニック障害を発症し、克服するまでの記録です

外出を克服したい・・外出のお供

やっと悩んでいた症状の正体がわかる


外出をすると、不安で動悸が始まる前に

必ず吐き気を伴っていました。

 

 

 

 

 

 

食事を摂っていなくても、何かの拍子に始まる吐き気は

いつも悩みました。

 

「今日は調子がいいぞ」と、ママ友に連れ出してもらって

会話を楽しんでいても、だんだん喉に違和感をおぼえるのです。

 

そのうち何となく吐き気が始まり、抑えようとするとどんどん不安感が増す・・

というのがパターン化してきました。

 

発症して1年経った頃の日記は悲惨で、一年経っても治らない自分を嘆き、いつになったら治るんだろう?と悩みを綴る毎日でした。

 

そもそも発症してしばらくは、「パニック障害」という言葉を知らずにいました。

 

この症状に悩まされ、生活に制限がかかり始めてストレスでいっぱいでした。

 

子どもをひなたぼっこやお散歩に出したり、時々起こる子どもならではの不機嫌泣きんにも対応できず、日常生活はもちろん子育てにも影響が出てしまいました。

 

 

 

 

 

パニック障害」という病気と知る

 

何が良くないんだろう?

このままこの症状に負けて暮らしたくはない。

 

とはいえ、今から18年ほど前の話です。

インターネットでも「パニック障害」に関する情報がないわけではありませんでしたが、治療や対処に関しての情報はあまりなかったおぼえです。

 

ある日テレビを観ていて「パニック障害」が取り上げられていました。

どれも当てはまる症状を見て、やっと自分の状態に名前がついたことに安堵しました。

 

変な話ですが、かかっている病気が何かと判明することに、少しだけ孤独感が減りました。

病院にかかっても、町の医者に行けば胃薬やめまい止めなどしかもらえなかったので、これで何科にかかればいいかもわかってホッとしました。 

 

とはいえ、この場合は精神科でした。

 

テレビでは抗不安剤などもあることを知り、早速行きたい!と思い、病院探しを始めました。

 

 

最初にかかった病院はテレビで観た麻布にある「さいとうクリニック」。

(こちらの詳細はまた後日書こうと思います)

 

カウンセリングから始めましたが、お医者さんから

「どうしても不安症状がきついならお薬出しますけど、どうしますか?」

 

この時初めて、抗不安剤というものがあるのを知りました。

お願いします、と言いたかったのですが、なんとなく自分にブレーキがかかりました。

迷っていた様子を見たお医者さんは

「まあ、また来る時までに考えてください。この病気には自力で対処します、という方もいらっしゃいますから」

とおっしゃってくださったので、この日は薬をもらわずに帰りました。

 

お薬をもらうことに躊躇した理由はいくつかありましたが、この病院までの距離もありました。

夫が休日の土曜に連れて行ってもらったのですが、患者数が多かったため予約とはいえ丸一日かかりました。

休日に乳児連れで時間を潰すにも、行く場所が限られてしまうのでなんとなく気が引けてしまい、さいとうクリニックにかかりつつも近所でも病院を探すことにしました。

 

抗不安剤」を知ったものの・・・

 

 

病院探しをしている最中、当時やっとできた地元のママ友のMさんという方にそんな話をした時です。

 

 

Mさんは先天性の障害を持つお子さんを育てていました。

もともと今でいうリケジョで、出産前は研究所にもお勤めになっていた方でした。

 

抗不安剤、私はオススメしない」

 

抗不安剤に大きな期待を寄せていた私には、かなりショックな意見でした。

 

 

というのも彼女が普段お子さんにあげているお薬は数種類。

 

いろんな発作を持つお子さんだったのですが、てんかん症状や躁状態などに対して出されたお薬は、最初は効果があってもだんだん慣れてしまうので、あるタイミングでお医者さんが次々と新しいお薬や元のお薬に戻すそうです。

 

「薬によっては効きすぎて、◯ちゃんが一日中眠ってしまうこともあるし、動きがとにかく遅くなったりすることもあるの。この子の脳の活発すぎる部分を抑える目的もあるから仕方ないんだけど、薬を飲み始める前の方がよっぽど良かったかもしれない、って思うの。病気の発作はあるけど、自然だった。

 

話せない子だからこの子の様子からコンタクト取っているんだけど、今はコントロールされている感じもあるし、薬の影響で怠そうだったり、不機嫌そうだったりすると申し訳ない気持ちになる。

 

薬を数日飲まない日もあるけど、やっぱりなんとなく眠そうだったりして、、元には戻れないんだな、って思った。

うちの子に飲ませている薬と同じようなものが抗不安剤にはあるんだけど、不安が消えるんじゃなくて、活発に反応している脳を鈍らせるだけよ。例えば耐えられず眠いくらいの睡魔があれば、多少具合が悪かったり、気持ちがざわついても睡魔が勝れば問題ないじゃない?そんな感じだよ。

一度抗不安剤を飲み出したら多分、元のあなたに戻らない。だからなるべくカウンセリングとか、サプリメントとか、体に影響の出ないものから始めたらどうかな」

 

せっかく見つけた抗不安剤という逃げ道は、Mさんの助言によりあっさり候補から消えました。

 

 

 

 

 

パニック障害の人の外食

外食がだんだん苦手になってくる・・「会食恐怖症」が始まる

 

 

パニック障害の症状は人によりけりです。

出かけるのはもちろん、食べるのも大好きだった私。

 

 

 

 

 

 

私の場合は、出かけることが困難になるところから始まりましたが、

発症して3年経ったあたりで外食が苦手になってきました。

 

人との会食に症状が出ることを「会食恐怖症」というそうですが、

私の場合は一人の外食でも苦手になりました。

 

 

ちなみに家で全く一人の状態で食べるのは大丈夫でした。

 

私の「会食恐怖」は胃の調子が悪い?という感じで始まりました。

 

 

 

会食恐怖の食欲減退と通常の胃の病気の食欲減退は明らかに違う

 

 

胃の調子じゃないな、とわかったのは

やはりその症状の出方です。

 

 

とにかく空腹。食べたいものを思い浮かべてワクワクしていたのに、いざオーダーしたものが来ると突然喉のつまりや胃のムカムカを感じて食べられなくなるのです。

食欲はあるのに、です。

 

無理に食べようとすると、食べ物が口に近づいただけで気持ちが悪くなります。

 

 

食欲はあるので口に入れればきっと食べだすだろう、と思って無理に口に入れると、

普段は感じない食べ物の食感・・テクスチャーをより立体的に感じてしまいます。

 

食べ物表面のざらつきやぬるぬる感を大げさに感じ取ってしまうようでした。

 

 

頭の中では

 

「お腹空いているし、お金も出しているんだし食べなきゃ」とは思っているのです。

 

 

が、口に入れると「吐くんじゃないか?」という考えが少しずつ少しずつボリュームを上げてくるのです。

 

 

外食先でそのような状態になると、どう頑張っても食べられないので諦めることがほとんどになりました。

 

 

 

それなのに、自宅に戻ると突然空腹を感じ、普通に食べられるのです・・・

 

 

病気との一番の違いは、食欲が全く失せるわけでないところです!

 

 

この症状も10年くらい続きましたが、時々治っては再び発症を繰り返してきました。

 

ただ、治っている間は別の・・時々小さな胃に炎症がでたり、最後は逆流性食道炎を2回繰り返したりしていました。

 

 

食べられるようになると、胃がキリキリしてきたり、胃液が上がって灼熱感を感じたりで気づきました。

 

 

うっすらとですが、うまく書けませんが、この「会食恐怖」も、通常のお医者さんがレントゲンなりを撮って判明する病気と違いがあるので、慣れてくると(!)見分けがつきます・・・

 

 

 

 

 

 

 喫煙する夫から得たヒント・・・

 

 

いつ頃だったか、主人のやめられないタバコを見ていた日。

私は喫煙者ではないのですが、なぜタバコを吸うのか聞いてみました。

よく皆さんおっしゃることですが「気分転換」「リラックス」などと言います。

 

あ・・

私、日常生活でちょっと5分でも中抜けして気分転換したりしないなー

と思いました。

 

だからと言って、小さな子を育児中に喫煙を始める気にもなれなかったので・・

 

目をつけたのは「フリスク」「ミンティア」といった携帯ミントタブレット

 

 

口の中が気持ち悪くなったり、喉のつまり感から唾を飲むにも吐き気を感じるようになった時に、キャンディほど砂糖は入っておらず小粒なので手軽です。

 

 

多分実行していらっしゃる方も多いかもしれませんね。

 

 

「ああ、気持ち悪い」と思った時の一粒で数え切れないほどしのげました。

 

ただ、食事の前は味が混ざってしまうし、食べすぎるとミントの味で逆に気持ち悪くなったりするので、あまりたくさん食べないように気をつけてはいました。

 

 

が、喉のつまり感の時は異常なほど唾が出るようで、

ミントタブレットの溶けが速いんですよ・・。

 

 

とはいえ食べ過ぎはやはり禁物

 

 

また、最初に愛用していたのは先駆け的存在「フリスク」でしたが、もともとこうした刺激物は得意ではなかったので、空腹の胃に大量に口に入れるようになったことで・小さな胃の炎症が起きました。

 

 

ピークの頃はミントタブレットを1日2ケースくらい消費していました。

 

 

本当に小さな胃の傷でも、かなり胃は痛みや違和感を感じます。

 

胃腸科のお医者さんにも「刺激物は控えて」と言われ、

以来ミントタブレットはゆっくり一粒を時間をかけて口の中に入れておくようにしました。

 

 

でも、前回抗不安剤を飲むかどうかと聞かれ悩んだ私には、手軽で安い頓服薬のようになりました。

 

 

ミントタブレットでわかったことは、とにかく口の中に清涼感を取り入れることである程度は取り乱さずに済む、ということでした。

 

 

今はずいぶんと摂取量が減りました。1日2粒くらいです。本当に気持ちの悪い時や、気分転換したい時くらいです。

 

 

とはいえ、まだ少し依存傾向があるようで、バッグの中にないと絶対に買うようにしています。

 

 

おかげで中途半端に余ったミントタブレットのケースがたまったり(汗)・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外出を克服したい。運転編

何度も書いていますが、外出がもともと大好きだった私にとって、

パニック障害は私を外へ出さない足枷でした。

 

 

 

 

 

朝は「あれもこれもやらなきゃ。じゃあ◯◯へ買い物へ行かなきゃ」と思っていても、家事を済ませて準備を進めていくうちに

 

 

「10時に出よう」

「お昼には行こう」

「お昼は人がいっぱいだ」

「お腹が空いているのに、吐き気が怖くて食べられないから家で食べよう」

「2時までには行こう」

 

 

・・・とどんどん先送りしてしまい、結局夫が帰る時間に被せて行きだけ運転し

一緒に買い物についてきてもらい、帰りの運転は夫に変わるなどしていました。

 

 

 

 

 

 

 

普段はこれでなんとかなっていましたが、夫に接待や出張の予定が入るのは恐怖でした。

これでは何もできない・・と何度も絶望しました。

 

どうして、出かけようとすると心と頭の中に邪魔が入るのだろう?

 

 

すーっと静かに、まるで私の行動を見張っているかのように、

「吐いたり、落ち着きがなかったりして、周りから変だと思われるかもよ?」と語りかけてくるのです・・・。

 

 

頭の中のハエを追っ払えないというのは、まさにこんな感じかと思ったりしました。

 

 

ある日、もう嫌だ!今日から何としても出かけてみせる!と強気になって自分に宣告してみました。

 

「絶対に出かけて克服してみせる!」

 

・・・とは言ったものの、車がないとどこにも出かけられないので運転は必須です。

 

なるべく具合が悪くなれば休める公共交通機関に頼りたいものでしたが、

当時住んでいた家からバス停は徒歩15分。駅は20分。

 

 

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赤ちゃん連れにはしんどい距離です。

また、新興住宅地でまだ住民も少ないせいか、昼夜問わず変質者が度々出ていたので

結局車での移動がメインにならざるを得ません。

 

 

また、当時は都内へ仕事に出かけなければならないので、とにかく運転をなんとかしなければなりませんでした。

 

 

 

 

 

 

うちから都内へ出る時などは、必ず横浜新道・第三京浜首都高速のどれかを使って行きます。

 

 

移動は私の心と体調が短時間でどんどん変化する負担の大きなものでした。

 

 

まず、横浜新道のまっすぐ脇道がなく料金レーンまで行くしかない作りに恐怖を覚えました。

 

料金レーンまで行けば、真横に駐車スペースや休憩スペースがあるのですが、そこに止まるのも方法ではあるものの、一度止まってしまうと二度と走り出せないんじゃないか?という恐怖が打ち消せませんでした。

 

そこでえいやっ!と料金所を抜けそのまま走るようにするのですが、周囲のスピードに合わせないと怖い・でもスピードを出したくないという心の葛藤と戦っている間に汗が吹き出ます。ハンドルを握る手はいつも汗でびちゃびちゃでした。

 

 

 

 

 

動悸と戦い、どうにか第三京浜まで行くのですが、今度は入口側のトンネルの壁にどうしてかぶつけたくなる衝動が始まりました。

 

「この壁にぶつけて楽になりたい・止まりたい・・・・」

 

後ろにいる息子の「あー」という甘い声に引き戻されてハッとすることもしばしばありました。

 

衝動を抑えてどうにか第三京浜に入るのですが、再び動悸と戦い、終点まで走るような感じでした。

 

 

どうにか一般道でやっと安心・・はなく、一般道に入ったら入ったで今度は安堵で吐き気が込み上げる・・・一時間前後しかない運転でも自分の体調変化が忙しすぎて、心がどんどん磨耗してしまうのでした。

 

 

 

 

 

予期不安やパニック症状は心の病気か脳の病気か?

家から簡単には出られなくなってから

私はやめていた日記をつけました。

 

 








今日はどうだったか・思ったこと・感じたこと
思いつくことを書きました。

書くことで、昨日と違っていたこと、症状が治ったと

感じることを書いて、後で読み返し、

自分の進歩を感じようと思ったからです。

 

   

 








とにかくこの頃の私の頭の中は

びっくりするほど、自分にしか興味がありませんでした。

 


 

 


突然の天気の変動のような体調変化。

それがいつ来るのかわからなくてただただびくつく自分。



誰といても話に集中できず、テレビの内容も上の空。

もちろん、目の前の息子の成長を日々喜べないのでした。

赤ちゃんの毎日は大人と違って日々進化の一途です。

急に笑ったり、立ち上がったり。発見の毎日のはずでした。

 




 

それよりも優先されるトピックスが

 

「吐いたらどうしよう」なのです。

 

 

実際にパニックから吐いてしまったのは十回もないと思うのですが、

一度の失敗(?)がずっと頭から離れません。

本当に憑きまとわれている感じです。



そもそも同じことにここまで集中して悩めるのも驚きでした。


パニック障害になりやすい気質はあるとは思います。

用心深い・人に遠慮しやすい・他人を意識して行動している・・

でもこれは誰にだってある面だと思います。


この面の部分が、急に自己主張を強めるのです。

全ての感情を決めるのは、だいたい自分が主体になっているからだと思うのですが、

どんな喜ばしいことがあっても、予期不安が優先されるのですよ・・

 

「また始まるかもしれないから備えなきゃ」

 

「人前で取り乱さないようにしなきゃ」

 

「変な人だと思われないようにしなきゃ」

 

「絶対に吐かないようにしなきゃ」

 

「食事は綺麗に食べなきゃ。残さないようにしなきゃ」

 

人と違うと思われたくない。

取り乱した自分を見られたくない。

 

ある日突然、

こういった感情にグーーーーッと

一点集中するのは脳の誤作動と断言しても良いと思っています。

 

特殊で病的だと思えるのは、

こういった次に起こる症状への「予期不安」が強くなることです。

「予期不安」もまた、パニック障害に悩む人ならご存知でしょう。

ざっくり言うと、

自分的に最悪の想定に対する不安が拭えない状態です。


パニック障害ではない人からすれば、

「考えなきゃいいじゃない!」

「起こりもしないことをいくら考えても無駄でしょ」

その通りです。

私も以前はそう思っていました。



森田療法」というパニック障害に対する治療方法がありますが、

(これについてはまた別の機会に書こうと思います)


この森田療法では、パニック障害や予期不安を

「心のくせ」と説明しています。

 

初めて森田療法を知った時、

「なるほど、確かに」と思いましたが、

 

この症状がなくなった今となっては

確実に病気だと思っています。

 

心の病気とも言われていますが、

経験者としては「脳の病気だな」と思うのです。

何かをきっかけに、脳が同じ行動を繰り返すといえばいいのでしょうか・・

脳と心は同一か?という説もどこかにありましたが、

これもざっくりいうと、脳で考えるのだから心と同一であると考えます。

ただし、心の領域というのはざっくりわかりやすいものを挙げると、

「好き」「嫌い」この部分。

だから

「どうしたら良いか」「避けるか」「得るか」

こうした行動を考えて行動するのは 脳の領域。

・・かなーと。

 

またこれについては時間があるときにしっかり書きたいのですが・・

 

 

 

 

 

 

 

薬は必ずしも必要ではありませんが、

大事なことは「これで死ぬことはない」ということだけを信じて

行動がおかしい・倒れてもいい・きっと誰かが助けてくれる・

こんな怖い思いで具合が悪くなっても、明日も生きているのだから、と

自分や知らない人も含めて信じ込んで、思い切って外出することだと思います。

 

 

 

 

 

 

強迫感が始まって・・

強迫的な鍵の確認は、5年ほど続きました。
発端は多分、忘れ物かな・・という気がします。

本当になんでもないことが発端なんです。

今にして思えば。







 

 

赤ちゃんがいる方ならお分かりですが、

出かける前のお母さんの荷物って、なかなかの量ですよね。
哺乳瓶とスペア・お湯・お水・オムツ・ゴミ袋・おやつやおもちゃ・・・
成長に合わせてセットする内容も変わっていきます。

また、ハイハイが始まる頃は目が離せないので、
赤ちゃんの動きに注意しながらそれらを用意し、自分の用意をし・・
と短時間にいろいろなことをしなくてはいけないので大変です。

そこから、ガス・電気・水道・家の中の窓、と確認をし、
やっと施錠するまでに至るのですが、

「あ、おもちゃ忘れちゃった」
「あ。母子手帳入ってない」
と、なにかひとつは忘れていることがあって、
家に戻るのです。

戻った際、息子の泣き始めたりすると、そちらに気を取られて、また別のものを忘れたり、みたいなことは度々あったのですが、、、

ある日突然、「鍵閉めたっけ?」と思い始めるようになり、
車で出かけてもう一度Uターンして確認をする、
というのを2、3度繰り返すようになりました。

ガチャガチャ!と手で確認をし、「よし」と思っても、ちょっとすると
「もう一回見なきゃ」という気がしてしまうのです・・

これには本当に疲れました。
「閉めたって!」と自分に怒鳴ることもありました。

戸締りしたかどうかの不安がなかなか打ち消されないため、
なんだか家が私を呼び戻している気さえしてきたものです。


「出かけると家に空き巣が入るかもしれない」
「家にいた方がいいんじゃない?」


そんな心の声といちいち戦わなきゃいけません。
やることや出かけなきゃいけない用事があるし、
家から出ないわけにはいかないので
どうにかこうにか出かけるのですが、
駅や車に乗って町から出る頃には、
本当に心がクタクタになってしまいました。

クタクタになりつつも、
「でも家から出ることはできたから、目的地に行こう」と思うと、
今度は心に不安が広がり始めるのでした・・・



ちなみに

鍵をかけたかどうかの不安感を打ち消せるようになったのは、
引っ越してマンションになったことで
防犯設備が整ったからだと思います。


 

 

 

 

以前住んでいた場所はテラスハウスという
アパートと一軒家の中間みたいなもので、
道路に面してドアがありました。

そのドアの横に小さな庭の前に大きな窓があったのですが、
家にいるとき、
ここから家を覗いていたセールスだかを発見したことがあります。


レースのカーテンを引いていたので
あちらからは気づかれませんでしたが、わざわざ覗いてまで
インターホンを鳴らす人がいることに恐怖を覚えました。


一応、道路から階段状のアプローチがあるのですが、門がないんですよね・・・
そうすると誰でも簡単に階段を上がって
インターホンを鳴らせるのです。

新築で見かけもよく、広さもまずまずだったので
この賃貸に住むことにしたのですが、
住んでみていろいろと

「う。。これは・・・・」と
問題に気づいたのです・・。


ずっとマンションで暮らしていたせいもありますし
家の作りにも問題があったかと思いますが

不安感を感じやすい素地のある方は、
家のセキュリティや窓の位置なども
ちょっと気にしてみるべきだなーと思ったのでした。

 

強迫的な鍵の確認が始まる・・

朝起きたら治っているかもしれない。


  明日になれば吐き気を感じず、
ベビーカーに息子を乗せてお散歩できるかもしれない。

いつの間にか、一人で外出することが一番の望みになっていた。

前は一人であちこち行けた。

車も乗れた。

誰かに会いたいと
思えばすぐに会いに行けた
遠くへ行くのは楽しい非日常だった

一人焼肉をしてみたり
六本木のイタリアンに一人で行ってみたり
池袋や銀座のバーで一人で飲んでみたりもした

一人を時々楽しむのが大好きだった私が、
息子を迎えて
楽しくあちこち出かけようと思っていた私が、


どこへ行くにも夫がいないと行けなくなるなんて。

 





毎朝期待を込めて起きる朝。
すぐに異変を感じて動けなくなる日々。
絶望を押さえこみ、明日こそはと思い直す夜。


やめていた日記を再開した。
魔法を毎日信じた。


いつの間にか私の頭の中は
自分の体の異変ばかりを気にしていて、
すっかり周りが見えなくなっていた。


「車に乗ってうちに来ればいいじゃない」
という友達の誘いにすらイラついた。


それができればこんな思いをしないよ!
夫が普通に出かけることすら恨めしかった。

知り合いのいない町で赤ん坊と二人残されて
吐き気や動悸を感じて家から一歩も出られず。
たまに鳴るインターホンは宗教の勧誘が多かった。


そのうち休日も家に籠るようになった。
息子が笑顔で夫と遊ぶ様子を見て、
抱っこすらできない自分を責めた。

どうして抱き上げようとすると
吐き気を感じてしまうのだろう。


私はとても疲れていて、
時々自殺の二文字が頭を過るようになった。

それでも息子の笑顔が私を止めた。
同時に息子の笑顔は私を責めた。



しばらく実家に戻りたい。
母との仲は良いものではないけれど、
息子を見せたいし、抱っこしてほしい。


でも夫は「そんなお金はない」と即答した。

「なんで?みんな里帰りくらい一回はしているよ」

「そんなお金うちにはないんだよ。諦めて」

何度かこんなやりとりが続いた。


思えば助産院で出産をし、3日で退院をした私は
ずっと睡眠不足のままだった。


食事もお世話も家事も何も気にせず、
1日ずっと泥のように寝たかった。

親戚に息子を任せて
数日くらいはゆっくりしたかった。
でも夫はそれを全て拒否して、
自分たちだけで子育てをすることを促した。


すべてが孤独だった。
話せば話すほど夫とは遠くなっていった。

それでも毎日気を取り直し
育児に励むように心を戻した。


いつの間にか、朝の吐き気は減っていった。
少しだけ、近くのスーパーへ出かける練習を始めた。
家の鍵を閉め、車に息子を乗せ、出発。


「・・・・。」


50メートルほど走った後、なんとなく家の鍵を閉めたか思い出してみた。

・・・閉めたはず。

大丈夫、閉めた。

閉めた・・・・。
 





私は車をUターンさせ、家の鍵を確認した。

・・・閉じていた。

よかった。


もう一度車に乗り、出発させた。
でも距離が伸びれば伸びるほど、
私はもう一度Uターンして家の鍵を確認した。

最低3回は確認に戻ることが日課になった。

なんで閉めたはずの鍵がこんなに気になるんだろう。

閉めたはずなのに

ぞわぞわと閉めていないかもしれない
という恐怖が私を何度も襲った。


おかげで誰かと約束をして出かける時は
遅刻常習者になってしまった。


なぜだろう。
確認せずにいられないのは。
閉めたはずなのに、心がざわつくのだ。


これもまた、一つの症状であることに
ずっと後で気づいたのだった。

 

パニックが起こる前の心のざわつき

私が発症した頃よりも

今はパニック障害の情報が増えたことは
誰にもこの症状を相談できなかった人には
症状の早期発見と治療にかかりやすく心強いものです。

 

 

 


私がパニックを初めて起こしたのは
出産後1年近く経とうとしたあたりでした。

でも、よくよく思い出すと
その種というか、起こしやすい気質であったとは思います。  

 

現在は

もともとそういう気質があって、パニック障害になりやすい人、

というのがわかってきていますね。


一般的には心配性だとか不安を感じやすいとか言われますが

確かにそうだとも思えます。

でも、もっと根底にはあるんじゃないかなとも思っています。

このブログでは

ダラダラと自分の日常ばかり書いてしまっていますが

なぜそうなるかというと

日常に蓄積された心のオリみたいなものが

ある日
「不安」という形で

少しずつ現れてくるのかな・・
という気がしているからかもしれません。

 

 





ゆっくりとご自身のことを思い出していくと
今に始まったことではない方って
意外といるかもしれません。

 


確かにそうだったのかな?と思える経験はあります。

 

小学校入学式では急に地面がぐるぐるとし始め

血の気が引いて倒れ、
気がつけば保健室。

当時は貧血では?と保健室の先生に言われました。


中学生の頃・・・
当時は過呼吸のみでした。

中3の頃は特に頻発しました。

ちょうど進路のことや母との確執に

一番悩んでいた頃だったからかもしれません。


大体心配事があるとスーッと気がどこかへ行ってしまったような。

この二件も何かしら漠然とした不安があった覚えがあります。

 

 

 

 

 

成長するにつれ、

多少緊張しても具合が悪くなることは無くなりました。

 

それが・・
出産して1年経つかという頃。

 

いつものように息子を抱き上げたところ、二、三歩歩いた途端
胸のあたりがざわつき、吐き気が込み上げてきました。

もともと嘔吐恐怖症的な傾向のあった私は
「吐く」行為はとても苦手。

 

胃の底からこみ上げてくる感覚は天地がひっくり返るようで
家の中でも嫌なものです。

幸い、つわりはほとんどなかったんですけどね・・

そっと息子をベッドに戻し、ダッシュで洗面所へ。

すぐに落ち着き、寝室へ戻って

泣いている息子を再度抱き上げようとすると・・・

またえづく・・

夫に息子を抱き上げてもらい、
台所へ行き・・・

 

そして通常の体調不良と違い、
心の中がとてもざわついていました。

家の中で、足も地面についているはずなのに、
まるで足のつかないプールだか水の中で
溺れ掛けそうな恐怖を感じていました。

今日1日だけのことかと思ったこの感覚は
ほぼ毎朝続きました。

このような状態で一番困るのは

普段のお買い物です。

 


発症前から

まだ息子が小さいということもあり、


買い物は夫と週末まとめ買いをしたり
遅くまで開いているスーパーに一緒に行ってもらったりしていました。

 

一緒に出かければ幾分安心だったので
どうにか買い物をこなせましたが・・



ある日
お会計をしようとレジ前に立っていたら、
ピ!・・ピ・・!ピ・・!と
レジの音が大きく感じ始めました。

年初めの

高速道路の轍を踏む音が大きく感じるようになったのと同じです。

すぐに動悸が起こり、呼吸が速くなる自覚がありました。

レジの向こうには夫と息子がニコニコして立っています。


震える手で急いで会計を済ませました。

 

「この後どこかで食べようか?」と夫が言い切る前に
「帰る!!」

 

「え?」

 

「・・帰る!!!」

 

呼吸もままならない私は帰るというのも精一杯。

 

よくわかっていない夫は

 

「何怒ってるの?」と驚いています。

「違うの・・気持ち悪いの・・」

 

「・・?ああ、そっか」
納得というより不機嫌そうに

「ああ、じゃあ仕方ないか」といった感じです。


でも取り繕う余裕もなく
すぐに駐車場へ。

 

私の周りだけが時間軸が狂っている。


1分は60秒で動いている普通の世界が
私には1分が遅くなったり、早くなったりしている・・
そんな感じです。

そして同じ場所にいながらにして

夫とも

世間とも

違う場所にいるように感じられる日が増えていくのでした。